
TikTokShopとは?ショッピング動画が導く“売れる設計”を徹底解説!
ポッドキャスト番組『企画かじり虫』では、SNSカルチャーをはじめミームになっているハッシュタグの考察や最新プラットフォームに関して、ゆる〜くポップに掘り下げてお話しています💁♀️
我々界隈で直近、ザワザワしているのが「TikTok Shop」。日本国内では6月30日より提供が開始されました。ワンメディアもこの動きを受けて「Shoppable Video(ショッピング動画)」に特化した導入支援サービスを開始しています。
そこで!『企画かじり虫』に新サービスをリードしているCOOの余頃をゲストに迎え、TikTok Shop本質である“ディスカバリーEコマース”という概念設計から、ヒーローSKU戦略、海外の売れ筋商品事例、そして購買導線のつくり方までを深掘りしました。
本記事は、エピソードの中で特に肝となる部分を書き起こした記事となっています!
▼「TikTok Shop」音声本編はこちらから🍎🐛
▼本記事内のキーフレーズ
- TikTok Shopは“ディスカバリーEコマース”へ進化
- 「1SKU集中」が売れる鍵=ヒーローSKU戦略
- 売れる商品は「ニッチ×共感文脈」
- テレビショッピング的訴求より“自然体Vlog”が効く
ワンメディア、創業11周年の節目にTikTok Shop支援事業へ参入
近藤:ついに、ワンメディアからTikTok Shopのリリースが出ましたね!

余頃:ワンメディアもいよいよTikTok Shopに参入します!!実は、今日(6月10日)でワンメディアは創立11周年なんですよ。節目というか周年に大きな発表が無事できてほんとよかった..
近藤:「Shoppable Video(ショッピング動画)」に特化した導入支援サービスは余頃さんと佐々木さんがリードしているということですが!ワンメディア社内の空気としては革命が起きたゾ!感ありますよね
余頃:TikTok Shop国内ローンチに伴う、新サービス開始って実は3年前にTikTokを始めたときの感覚に近いんです。「これはすごいぞ」って社内では盛り上がってるんですが、まだ一般的にはなかなか伝わらないんですよね..
近藤:確かに、「あ、ついに来たか」くらいで終わってる感じはありますね。なんなら私もまだ解像度上がってない側かも(笑)
“見つけた”が“買う”に直結する新たな体験
余頃:それでいうと、InstagramやYouTubeにもショップ機能ありますよね。でもあれって、プラットフォームのコンテンツにリンクをつけただけという印象。
近藤:静止画にタグがついてるとか、ですよね。
余頃:そうなんです。TikTok Shopが真に革命的なのは、「おすすめ表示のアルゴリズム」と「商品への導線」が完全に連動している点なんです。つまり、TikTokらしい“出会いの強さ”が購買に直結する設計になっているんです。
近藤:それって、TikTok売れが倍速で起きるみたいなことですかね?
余頃:まさにそうです!これまでは、TikTokでバズって「売れてくれー!」って祈るしかなかった(笑)でも今は、アルゴリズムの波にちゃんと乗れば、リアルに売れるんです。
近藤:めっちゃいいですね。特に“直で売りたい”クライアントさんにはありがたいんじゃないですか?今までだとリンクを踏んでもらって、LPに飛んでって..っていう工程が全部必要だった。
余頃:今はTikTokのフィード内だけで、スリーステップくらいで完結します。しかもショート動画がコンテンツとしてECと"同居"するから、まったく新しい体験になるはずです。
近藤:なんかライブコマースにも似てる気がしてきた..
偶然の出会いが即買いに変わる、TikTokの購買革命“ディスカバリーEコマース”
余頃:TikTok for Businessの方から聞いて、めちゃくちゃ衝撃を受けたんですけど。TikTok Shopは“ソーシャルコマース”でも“ライブコマース”でもなく、“ディスカバリーEコマース”をやりたい、とおっしゃっていたんです。
近藤:新しい..
余頃:ライブ配信も一部にはあるんですけど、結局一番強いのは“ショート動画”なんです。TikTokフィード上に買い物カート付き動画が自然に流れてきて、それが直接購買につながる。これがInstagramやYouTubeにはなかった、革命的なポイントなんです。
近藤:例えば商品ってマツキヨのオンラインショップとか、そういうとこから買う感じですか?
余頃:そうです。基本は、TikTok ShopというECモールに直接出品してもらう形です。イメージはAmazonに出店するような感覚。UIはちょっとQoo10っぽいかも!
でも動線はTikTok内にあるので、SNSマーケ・ECマーケ・アフィリエイト運用の合わせ技が必要なんです。私たちが得意なSNSコンテンツ制作から、本格的なマーケティングやオペレーションまで、一貫して設計していくことになります。
近藤:普通のECよりも工数が減る分、成果につながりやすい設計ですね。つまり、ショート動画自体が“LP化”してるということですか。
余頃:そう!例えばのD2Cブランドだと、SNSから飛んで、細部まで作り込まれたLPを見て、CTAボタンを押して、というプロセスを踏むじゃないですか。それが、TikTokでは“1本の動画”で完結できるんです。ショート動画がそのまま購買LPになるってわけです。
TikTok Shopで一人勝ちする商材の特徴とは
余頃:そうですね。あと実は特に参考になるのはアメリカやイギリスの事例なんです。彼らの市場ではライブよりも、圧倒的にショート動画経由での販売が成功しています。TikTok Shopの未来も、その方向に進むと思います。最近のコスメブランドでの具体例では、リップよりもニッチなコンシーラーが大ヒットしているんです。
近藤:なぜに??
余頃:おそらく“文脈”が作りやすいからです。誰にとって、どのように便利なのかが明確な商品は、ショート動画での紹介が効果的なんです。
近藤:なるほど、発見感もありますし、「ちょうど欲しかった」という衝動買いも起きやすそう。
余頃:特に「〇〇向けの××」といった、ターゲットが明確なニッチ商材との相性が抜群なんです。普段ならECモールでわざわざ探さないような商品が、TikTokの文脈の中で突然“買いどき”になる。アメリカではおもちゃやラーメンの袋麺がバズって売れている事例があって、みんながすする瞬間の動画を真似してアップして、それが商品と一緒にバズったんです。
近藤:なるほど、ビジュアルで伝わりやすい×真似しやすいの組み合わせが強いんですね。
余頃:そうです。単に“商品としての良さ”だけじゃなくて、ショート動画のフォーマットに落とし込めるかどうかがカギなんです。
近藤:でも逆に、「これどこで買えるんですか?」みたいなコメントって、TikTokで盛り上がる要素じゃないですか?それがなくなっちゃったら、コメント欄の盛り上がり減っちゃうのでは?
余頃:たしかに。買えるってわかった瞬間に、コメントが導線じゃなくなりますからね。
近藤:もしかしたら、コメント数よりも、「買ったよ!」「使ってみた!」みたいな体験共有系の投稿に移行するのかも..?
余頃:エンゲージメントの質が変わるという意味では、面白い変化かもしれませんね!
“売るための動画”から“共感の文脈”へ ― TikTok Shopが導く新たなクリエイティブの方向性
余頃:ただ、ここからはちょっと怖い未来の話なんですが。“売るためのショート動画”が増えすぎた結果、TikTok全体がECモール化してしまう可能性があると思っています。
近藤:あ〜、メディア的な側面がどんどん薄れていくパターンですね。
余頃:中国のTikTokは、もうほぼECプラットフォームになっていて、本来のTikTokらしいVlog的なコンテンツは小紅書(※)移行しているんです。
近藤:広告とEC販売の世界観ともともとのTikTokの良さって、共存できるんですかね?
余頃:その影響がどう出るか、今すごく注目しています(笑)テレビショッピング的にバンッと訴求して、メリットだけで売る動画が増えていくと、プラットフォームが少し味気なくなってしまう気がしますよね。
近藤:コンテンツが人参ぶら下げ系ばかりになるというか(笑)
余頃:あ、TikTokがモール化しすぎた反動で、ThreadsやXみたいなコミュニケーション重視のプラットフォームが再び流行る可能性もあると思うんです。
近藤:またオタク文化が盛り返す、みたいな?
余頃:そうそう。Vlog的な動画や、人間らしいクリエイティブが再評価されて、「メディアの時代」へ逆戻りするシナリオもあるんですよ。
近藤:結果、横型動画に戻ると(笑)
余頃:そう、縦から横へ、また原点回帰!
近藤:でもやっぱり、TikTokって最初は「ここで買えるから楽!」って流れますけど、売れすぎたら真似されて、誰から買うかは関係なくなっちゃう可能性もありますよね。
余頃:界隈によっては「この人から買いたい」という想いをちゃんと持ってる人も多いですよね。
近藤:推し活と一緒ですね。少しでも推しにお金が入るように考える、素敵マインド。
余頃:でも意外と、テレビショッピング的な訴求型動画よりも、今のTikTokショート動画の延長線上に未来があるのかもしれないなって思うんです。
TikTokで「売れる動画」の本質は、実は変わってない?
余頃:例えば、先ほどもお話したアメリカでバズったおもちゃの事例ですが。お子さんを持つクリエイターさんが、家の中で乗れるおもちゃに乗って遊んでいるだけの動画が大ヒットしたんです。
近藤:Bluetooth付きの子供用電動カートみたいなやつですよね?光ったりするやつ。
余頃:そうそう。でも動画の作りは、普通のVlogや日常の延長のようなもので、いわゆる「今だけ!」とか「値引き!」といった直接的な訴求はしていないんです。
近藤:なるほど、既存の紹介動画のスタイルそのままで売れている。ただ購入リンクが付いただけなんですね。
余頃:まさにそう。つまり、動画クリエイティブの世界観はほとんど変えずに"購買導線"だけを強化しているということなんです。
近藤:ということは、ルーティーン動画で6〜7個の商品を紹介したら、全部売れる可能性もあるんですか?
余頃:あ、それでいうと現状ではショート動画にリンクは1個しか付けられないんです。
近藤:じゃあその中から1個選ぶ必要があるんですね。
余頃:そうです。ライブ配信ならたくさん出せるんですけど、ショート動画では"珠玉の一点"に絞る設計になっています。
近藤:なるほど、やはり"売る導線"の設計が重要なんですね。
余頃:はい。ショート動画もライブ配信も、そのままフィードに流れてきた動画に、カードやリンクがつく仕様になっています。つまり、ユーザーは特別なページに移動しなくても、動画を見ながらそのまま購入できるんです。
近藤:そして、アカウント側に自分のショップ機能を持たせることもできる、と!
近藤:インスタっぽく、ショップをアカウントにつけられるってことですよね?
余頃:そうです。ブランドもクリエイターさんも、自分のショップを持てる。まさにBASEみたいな、D2C的な販売設計がTikTok内でできるようになります。
バズの鍵は「ヒーローSKU戦略」
余頃:これまでTikTokは、再生数は稼げても広告単価ではYouTubeに劣るという印象を持たれていました。でも、TikTok Shopの登場で構造が変わりつつあります。動画がそのまま“購買導線”になることで、再生=売上に直結する世界が現実になり始めているんです。
ポイントは、商品をたくさん並べることではありません。むしろ逆で、「珠玉の1品」に振り切るほうが強い。いまEC業界で注目されているのが、「ヒーローSKU戦略」という考え方です。
近藤:ヒーローSKU?
余頃:SKU(Stock Keeping Unit)は商品単位を示す指標ですが、ヒーローSKUはその中でも“売上を牽引する主力アイテム”のこと。たとえば20アイテムを分散して売るより、1つの商品にプロモーションや導線を集中させてバズを起こす方が、アルゴリズム上も効果的で、結果として他商品への波及も生まれやすい。
これはまさに、SNSにおける“1投稿バズらせる”発想と一致しています。
近藤:つまり、「バズる1点主義」ですね。動画設計でもECでも、“まず1本・1品”を起点に流れをつくる、と。
余頃:そうなんです。なのでSNSマーケティングとECマーケティングの境目が曖昧になってきている気がしますね。「魅せる」と「売る」が別物ではなく、一体で設計されるべきものになっている。TikTok Shopは、その融合を地続きで実装できる数少ないプラットフォームなんですよね
(※)小紅書:中国版InstagramやPinterestとも呼ばれ、特に若い女性の間で人気のプラットフォーム。写真や動画を共有し、ファッション、美容、旅行などの情報を発信・収集するとして利用されている。また、EC機能も備えており、商品レビューや購入も可能。
いかがでしたでしょうか?本記事から少しでもTikTokShopに関する知識や理解、ワクワク感が高まってくださっていれば本望です←
また、ワンメディアでは、TikTok Shopに関するウェビナーを8月27日に開催します!
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