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インタビュー
2025.07.17

事例から紐解く、BeRealで仕掛けるブランド戦略の新常識編【「企画かじり虫」 書き起こし記事】

今、Z世代を中心にX・TikTokと並んで日常に溶け込んだ新SNS「BeReal」。ポッドキャスト番組『企画かじり虫』では、BeReal日本国内初✨の社員である国定 希生氏(以後、キーファーさん)をゲストにお迎えし、BeRealまるわかり回を収録・配信しています🍎

後半となるこの記事では、特にプロモーション施策やブランド戦略に効くBeRealの活用アイデアをお届けします!

今回も要約すると、BeRealで仕掛けるブランド戦略の新常識は下記の5つがキーフレーズになります!念頭に置きつつ読んでいただけると、よりBeRealへの理解が深まるかなぁと思います🧚‍♀️

仕掛けるブランド戦略の新常識 キーフレーズ

  • タイムラインの“空気感”を壊さない広告が生き残る
  • “映える”より“わかってくれてる”企業に、好意が集まる
  • 生活者の“ノリ”が最強のクリエイティブを生む
  • 「同じ時間を生きる」ブランドが選ばれる
  • 「その日、その瞬間」にしか生まれない熱量がある


リアル×プライベート”という新領域を展開。BeRealの独自ポジション

キーファー:BeRealに競合はいるんですか?という質問が実はけっこう多いんです。

近藤:たしかに。競合ってどこになるんだろう?

キーファー:実は明確な競合がいないというのが正直なところです。たとえば、SNSの軸を縦に“パブリック・プライベート”、横にリアル・盛りと分けると、「盛り×パブリック」は、InstagramやTikTokの領域。リアル×パブリックは、XやFacebook。
でも、“リアル×プライベート”の領域って、今のところどこも属していないんですよね。

近藤:確かに。今まではそれを共有する必要のない領域だと思ってました..!

キーファー:そうなんです。だからこそ、BeRealがその空白を埋めている感じなんです。さらに興味深いのは、盛り×プライベートの領域にも、まだ誰も本格的に参入していないんです。ここも、BeRealが可能性を持っているエリアかもしれません。

海本:日本で言えば、裏アカ文化に近いかもしれませんね。裏アカは広く使われてますけど、どうしてもダークなイメージがあるんですよね。だから、BeRealのように公式で健全に実現できるのは、すごく画期的だと思います。

キーファー:まさにその通りです!そのダークと健全の境界線って、今とても興味深いテーマなんです。例えば、タレントさんがXに投稿すると、ネガティブなコメントが付くのが一種の文化になってますよね。Xは本来、対話(ダイアログ)を生み出すプラットフォームなので、それも表現の自由として認められると思うんです。でも面白いことに、BeRealではネガティブなコメントがほとんど見られないんです。BeRealは、全員が顔出ししてるSNSなんです。だからこそ、匿名的な攻撃性が生まれにくい。その結果として、BeRealはブランドセーフ健全性が保たれた空間になっている、という実感があります。

近藤:もうみんなSNS疲れが次元を超えているぐらいですからね(笑)

海本:だからこそ、BeRealが今受け入れられているんだと思います。自分も他人も等身大のままだから心が疲れないんです。寝る前に見ても、なんだかやわらかく眠れるSNSですね。

近藤:わかる..。Z世代にインタビューすると、「オープンSNSで全員に認められるのは無理だと思ってる」って言う人が多いですよね。

キーファー:そう。僕はそれを諦めの世代”と呼んでるんですが(笑)
それでも誰かには肯定されたい、という気持ちはあるんです。だからBeRealは、ポジティブエスケープ(逃げ場)として機能してるんだと思います。


広告リテラシーの高いZ世代へー自然な溶け込みがカギを握る

近藤:確かに、最近はどのSNSでも自虐的なコンテンツが増えてきてますよね。ちょっと前だと「#なーぜなーぜ」みたいな、自分を茶化す投稿が流行ってましたし。「無理に良いところは見せない。でも、つながっていたい」。このつながりたいけど無理はしたくないという気持ちって、まだまだ根強いですよね。

海本:それこそがBeRealの本質ですよね。「完璧な自分じゃなくても、ありのままの自分を共有できる」という。きっと「#なーぜなーぜ」が流行った時期と、BeRealが広まり始めた時期って、コロナ禍でほぼ同じだったんじゃないでしょうか?

キーファー:そうそう。あれもコロナ禍でしたね

近藤:そうなんですよ。コロナ禍の頃って、他のプラットフォームで「自虐系」のフレームが一気に広まった時期でしたよね。たぶんその頃にBeRealもポンッと登場して、でもそこでは自虐すら求められない雰囲気があって。それがすごく居心地のいい世界観だったんじゃないかなと思うんです。

海本:わかります。TikTokで「私の1週間のBeReal」みたいな投稿を見ると、普段はめちゃくちゃ綺麗な投稿をしている人が、ぐちゃぐちゃな部屋で撮影していたりして。「あ、この人も頑張りすぎていないんだ」って、すごく親近感が湧くんです。

映えるを手放してもいいんだって、そういう気づきをくれる場所になっていると思います。キラキラしている人の素が見えると、むしろ好感が持てますよね。そういう意味でも、発信の場としての価値があるなと感じます。

近藤:それめっちゃわかります。ただ一方で、ユーザーの空気感はゆるっとしているのに、広告を作る側は今すごく気合が入っているなって感じていて。もう腕ぶん回している感じ(笑)

キーファー:クリエイティブは本当に重要ですね。後で実際の事例もお見せしますが、BeRealのタイムラインは、他のSNSとまったく構造が違うんです。まずPC版がなくてモバイル専用。それに誰かの投稿がリポストされることもありません。

つまり、タイムラインには基本的に友達しかいないんです。正確には、「友達」「公式アカウント」「広告」の3種類だけが表示されます。だから「友達→友達→広告→友達→公式」という構成になります。この中で、広告がどれだけ自然に見えるかがとても重要なんです。

特にZ世代は、Twitterが当たり前の時代に生まれていて、広告に対するリテラシーも高く、警戒心も強いんです。だからこそ、「まるで広告じゃないような広告」が求められます。

制作費をかけてカメラを回すよりも、iPhoneでリアルな生活の一部を切り取った方が、むしろクリック率は高くなる傾向にあります。

BeReal広告成功の秘訣

近藤:へえ〜、そうなんですね。

キーファー:しかも、動画より圧倒的に“静止画の方が反応がいいんです。

近藤:なんでですか?

キーファー:もちろん視認性で言えば動画の方が強いですし、ブランドリフトの調査をすれば、もしかしたら動画の方が効果が出るかもしれません。でも、BeReal上で動画を投稿しているユーザーはまだまだ少ないので、動画が出た瞬間「あ、これ広告っぽいな」とすぐ気づかれてしまうんです。だから、静止画の方が自然に溶け込めるんです。

海本:確かに、BeRealって友達だけのタイムラインだから、ちょっとでも綺麗すぎる広告があると、すぐ異物感が出てしまいますよね。もう、即バレです(笑)

近藤:だから、あえてちょっとブレているくらいの方がリアルに感じますよね。「この人誰だっけ?..あ、広告か」くらいの気づき方がちょうどいい気がします。

海本:うん、わかります。むしろそういうの見ると、「このキャンペーン、どんなものなんだろう?」って気になっちゃいますよね。

キーファー:そうなんです。BeRealは基本的にクローズドな空間じゃないですか。広告がそこに入ってきた時に、「うわ、広告か..」って嫌がられるんじゃないかって心配されることも多いんですが、今のところ、むしろポジティブに受け止められるケースが多いんです。

近藤:それは意外かも。

キーファー:期待を裏切らないというか、良い反応が返ってくることが多いんです。他のプラットフォームでは、クリックを獲得するのが難しくなっている傾向がありますよね。だから最近は、企業側も「ビュー」や「ブランドリフト」寄りのKPIにシフトしているケースが多いんです。でも、BeRealでは普通にCTRが取れます。

近藤:それって画像をタップした時のことですか?

キーファー:はい、投稿全体がタップ可能で、どこを押してもリンクに飛べる設計になっています。もちろんクリエイティブによって差はあるんですが、いいもので8%くらい。悪くても0.3〜0.5%、平均でも1%くらいはあるんです。これはかなり高水準だと思います。

日常の中のアオハルモーメント”ーZ世代の感情に寄り添うブランド戦略⁠

キーファー:で、もう一つ面白いのが、「時間を司るプラットフォーム」であるBeRealならではの活用方法なんです。これはあくまで仮の話ですが、あるコンビニで「BeRealタイム(通知)」が来た瞬間に、特定の商品と一緒に写真を撮って投稿したら、クーポンがもらえる、みたいなキャンペーンができたら面白いと思いませんか?

海本:私、前に出たPodcastでも話したんですけど、何年か前に0時ちょうどに通知が来るSNSがあって、ちょうどその時に神社にいたんですよ。そしたらその場がめちゃくちゃ盛り上がってて、オフラインでの出来事がSNS上でも大きくバズって、たしか8万いいねくらい付いてました。「こんなにSNSとリアルが連動して盛り上がるんだ!」って体感して、オンラインとオフラインの"掛け合わせ"ってやっぱり大事だなと実感しましたね。

キーファー:そうそう、屋外広告との掛け合わせもすごく良いんですよ。「今、BeRealタイム来たでしょ?」「このあと〇〇のビールで乾杯して撮ってね」みたいな、リアルなアクションを促す形がすごく映えるんです。それと、もうひとつ重視しているのがアオハルモーメントなんです。Z世代にとっての記憶に残る瞬間――もちろんクリスマスやバレンタイン、年末年始も大事ですが、彼らにとってのリアルなハレの日って、もっと日常に近いところにあると思っていて。たとえば「クラス替えの日」「入試の日」「期末テスト前夜」。そんなときに、参考書の隣に置かれたドリンクと一緒に撮ったBeReal。ああいう日常の断片が、実はすごく印象に残るモーメントになるんです。

海本:なるほど〜!

キーファー:そういう一段階視点を下げたモーメントに、どう商品を寄り添わせられるか。Z世代の感情に寄り添うっていう意味でも、広告クリエイティブの切り口としては面白いんですよね。

近藤:ユーザー層って、大学生中心のイメージがあったんですけど、高校生も多いんですね。ちなみに、今って高校でスマホ持ち込みってOKなんでしたっけ?

キーファー:そうですね、どちらかというと夜中に試験勉強してて、机の上に置いたドリンクやお菓子と一緒にBeRealを撮る、みたいなシーンが多いです。

で、それって勉強してる風のアピールなんですよ(笑)明らかに数式が間違ってるノートとかもあるんですけど、「あれ?この公式違うくない?」みたいな、そういうツッコミどころ含めて、Z世代らしさがある。香ばしいけど、愛されてる投稿が多いです。

近藤:たとえば期末試験の前日に深夜の通知が来たら、「頑張ってる君を応援してる」という空気が出て、とても良さそうですね。

キーファー:そうなんですよ。ただ、BeRealでは早朝や深夜の通知は送らない仕様になっているので、その時間帯にリアルタイム通知が届くことはないんです。でも、試験期間中の広告タイミングや文脈を工夫すれば、入試や期末試験中の学生に響くクリエイティブは作れると思います。

近藤:たしかに!カロリーメイトやキットカットなど、“青春文脈と親和性のある商材との相性が良さそうですね。

海本:Z世代って、最初から広告だと分かっている世代じゃないですか。だからこそ、「この企業はどうやって私たちに話しかけてくるのか」にとても敏感なんですよね。ちゃんと見てくれてる感があると、一気に好感度が上がる気がします。

近藤:うんうん、分かります。クリスマスのような大きなイベントより、普段の何気ない日に寄り添ってくれる広告の方が、グッとくる感じがありますよね。

海本:

体育祭も今すごく盛り上がってますよね。そういうときは絶対BeRealを撮りたくなるだろうし、学生からすれば「自分たちの時間をちゃんと見てくれてる」という嬉しさがあると思います。

近藤:

確かに。Z世代の「大人には見えないけど、確かにそこにある時間」というモメンタムを掴めたら、それだけでマーケティングとして強いですよね。

キーファー:おっしゃる通りで、私たちがよく言うのは、Z世代を受け身の消費者として捉えるのはもう古いということ。むしろ「意欲的な探求者」として、どう巻き込んでいくか。それがBeRealでのクリエイティブの大きなテーマになっています。

「通知一斉配信」がもたらす新しい体験設計イベント事例から紐解くマーケティング戦略

キーファー:イベントとの掛け合わせは、やはり一番分かりやすいですね。もうすぐ夏ですし、特にフェスが増えてくる時期なので。

海本:確かに、フェスとBeRealの相性は良さそうですね。

キーファー:今年の3月、関西コレクションでは私もステージに登壇し、様々なフィードバックをいただきました。実はその時、ステージ中にBeRealの通知が届いたんですよ。すると、その日の大阪エリアの利用率が44%も上昇したんです。タイミングと文脈さえ合えば、Z世代の熱量は一気に跳ね上がるということが、身をもって実感できました。

近藤:うわー、まさに「金曜ロードショーのバルス現象」の現代版ですね!

海本:本当にそう!全員が同じタイミングで通知を受け取るって、すごく面白い体験ですよね。

キーファー:そうなんです。日本中が同時に反応するというのは、BeRealならではの強みかもしれません。しかも、その体験を共有したいという思いから、わざわざBeRealをダウンロードしてイベントに来てくれる人もいて、そういった動機づけにもつながっているんです。

近藤:そういう通知ジャック的な使い方も、今後の可能性としては十分あり得るんですね。

キーファー:そうですね。「時間軸でマーケティングを考える」って、実はすごく熱量の高い企画になると思っていて。ただ、そういうのって一からしっかり設計しようとすると意外と難しいんです。でも、BeRealの仕組みって瞬間に全員が乗っかれる構造なんですよ。

近藤:というと?

キーファー:BeRealはながら使いのアプリじゃないんですよね。通知が来るまでアプリを開かない人も多いんです。でもその通知=BeRealタイムが届いた瞬間に、ユーザーの約50%、つまり200〜250万人が一斉にアプリを使い始めるんです。その瞬間に、どうブランドをうまく重ねられるかが、ものすごく面白い設計ポイントになると思います。

近藤:なるほど..それ、ゲームに近い感覚かもしれないですね。たとえば『スプラトゥーン』のような オンラインゲームで、期間限定イベントがあると、普段SNSに自撮りを載せない層も盛り上がって、記念に画像をアップしたりする。ああいうオンラインの祭りとBeRealの瞬間"が合わさったら、SNSをあまり使わない層にも、新しい体験が生まれそうですね。

海本:うん、しかも通知で一気に盛り上がるから、知らなかった人にまで波及しますよね。何かが起きているぞ?って気づいて、そこからそのゲームに興味を持つ、みたいな。二次拡散的な流れが自然に起きるのは、かなり相性がいいと思います。

近藤:特に今、高校生たちがまさにその空気感を求めているなら、そこにどう寄り添えるか..可能性がありますよね。

海本:本当にそう思います。

企業アカウントから見るBeReal活用術シンプルな広告とリアルな体験

海本:ちょっと聞きたいことがあって。BeRealって、コロナ禍に登場してから4年くらい経つじゃないですか?当時学生だったユーザーが、いまはもう社会人になってきていて..。私自身も「学生のときの方がBeReal取りやすかったな」って感じてるんですけど、そういう"年齢の変化に合わせて、プラットフォーム側でなにか対応してることってありますか?

キーファー:まず、若いオーディエンスを最初からたくさん抱えられたSNSって、今では本当に貴重なんですよ。最近、そういう新しいSNSって、あまり出てきてないですし..。

海本:..たしかに!全然ないです。

キーファー:で、これは僕の中で「青春メロディ現象」って勝手に呼んでるんですけど、人って高校時代に聴いていた音楽を、ずっと大人になっても聴き続けがちなんですよね。僕も車に乗ると、ついBUMP OF CHICKENとかHi-STANDARDとか流しちゃってて..。

で、これってSNSにも似てて、新しいアプリを大人になってから入れるハードルって、意外と高いらしいんです。ある大学の研究でもそういうデータが出ていて。

だからこそ、今Z世代が自然と使ってくれているBeRealが、これからそのまま30代・40代になっても使われていく可能性は十分あると思ってますし、実際にそういう世代の利用も、じわじわ伸びてきています。

近藤:それは期待しちゃいますね。

キーファー:あともう一つは、「もっと投稿のハードルを下げること」も課題として取り組んでいて。BeRealって、本当にリアルだからこそ、投稿にちょっと気合いがいる瞬間もあると思うんですよね。だからこそ、自然体のまま、もっと気軽に使ってもらえるように、プロダクトチームと一緒に日々試行錯誤しています。そして何より面白いのは、日本人ユーザーの声が社内でもめちゃくちゃ重要視されてること。これはもう本当に嬉しい驚きです。

近藤:たしかに、日本人って考察気質というか、深掘りが好きなところありますよね(笑)新しいプラットフォームとかを触り始めると、すぐ考察しがちというか。Yahoo!知恵袋とかが今も活発に使われてるのって、まさにそういう国民性っぽい。

キーファー:リアクションに使える「リアル絵文字」とかも、もっと活用してもらえると面白いですよ。「言葉じゃないコミュニケーション」がBeRealの真骨頂でもありますから。BeRealには「リアル絵文字」という機能があって、自分の顔写真付きでリアクションができるんです。例えば高校生へのインタビューでは、「好きな男の子から顔写真付きのリアクションが返ってくると嬉しい」という声がありました。

ただの「いいね」よりも、その人自身のリアルな反応が見えるから、より温かみのあるコミュニケーションが生まれるんですよね。公式アカウントでも5〜6パターンの顔写真付きリアル絵文字を登録できて、状況に応じて使い分けられます。この「顔で反応する」文化も、BeRealならではの特徴の一つですね。

近藤:えっ、それって広告にも顔のリアクションって付けられるんですか?

キーファー:実は、BeRealの広告にはコメント・いいね・リポスト、すべてが存在しないんです。純粋にビジュアルを表示するだけのシンプルな仕組みになっています。

海本:へぇ〜!

キーファー:だからこそ、広告も「奇をてらわなくていい」のが特徴なんです。その場の空気感や生活感、シーンに自然に寄り添った形で表示される。それこそが理想的な広告のあり方だと考えています。

近藤:なんか、それってすごく気軽に始められるってことですね?

キーファー:そうなんです!始めるのに本当にハードルが低くて、登録は2〜3秒で完了します。実名でも匿名でもOKです。もちろん顔写真は必須ではありませんが、アイコンにちょっとでも自分の顔が入っているとよりリアル感が出るので、おすすめしています。

キーファー:企業公式アカウントでも「その場でリアルな写真を撮る」というBeRealの特徴上、ある程度のリソースは必要です。でもそれ以上の価値が得られます。例えばQoo10さん、eBayさん、ロート製薬さんなど、公式アカウントを上手く活用している企業があります。特にロートさんのアカウントが面白いんですよ。草原に「ロート」という文字を描いた投稿があったりして、とてもユニークな使い方をしています(笑)

近藤:なるほど。ロートさんといえばニキビケア商品のイメージがありますもんね。

キーファー:そうなんです。それと、BeRealの公式アカウントは唯一、過去の投稿をすべて見返すことができるんです。「様子見をしたい」「若い世代のコミュニケーションを理解したい」という方は、まずBeRealの個人アカウントを作って、公式アカウントを観察することから始めるのがおすすめです。

BeReal不変の3つのR「Real・Raw・Relate」が示す本質

海本:最後にひとつ質問してもいいですか!最近、写真の枚数も変わったりしてますよね?だから、今後BeRealっていろいろ変わっていくのかなって。そう考えると逆に、「BeRealで絶対に変わらないこと」って何だと思いますか?

キーファー:実は僕ら社内では、BeRealの大切な価値観を表す「3つのR」というのを共有しているんです。それが、「Real(リアル)」「Raw(ロー・生っぽさ)」「Relate(つながり)」の3つです。

たとえばRealで言えば、写真フォルダからアップできないことや、フィルターが使えないという部分。これはもうBeRealの本質中の本質なので、絶対に変わらないと思います。

そしてRaw、これは技術的なことというより、ユーザー文化に近いんです。「ちょっとブレてる」「手ブレしてる」「構図が雑」みたいなものを、逆に生っぽくていいって評価する空気感。これも変わらないと思っています。

最後のRelate、これはBeRealタイムというランダム通知機能のことです。「みんなが一斉に同じ瞬間に撮る」ことで感じられるつながりの感覚は、他のSNSにはないものですし、これは絶対に維持していきたいですね。

ただその一方で、投稿方法やオンボーディング(初期導入)の体験などは、もっともっと改善していきたいと考えています。特に「アカウントを作ったけど友達がいない」というのは、誰もが通る壁なので。

海本:BeRealのUIが変わっただけでも、周りと「変わったよね?」って話題になりますもん(笑)なんかすごく、これからが楽しみです!

キーファー:うれしいです。最後に個人的な思いとして言わせてもらうと、BeRealは「自分を大切にできる場所」だと思っています。SNSって、気づいたら感情の外部委託が進みすぎてしまっている。でも、本来は「自分が自分を一番認めてあげるべき」だと思うんです。自分が自分に「いいね」って言ってあげられる世界。その感覚がBeRealにはある。「誰かに見せるため」ではなく、「自分自身と向き合うための投稿」。それが日記のように残っていくBeRealは、人生に迷った時にこそ立ち返れるプラットフォームになってくれたらと思います。

近藤:いや~めっちゃわかります!SNS疲れって言われますけど、最近はそれ以上にアルゴリズム疲れみたいなのも感じてて。ちょっと見ただけで「お前はこれが好きなんだろ?」って出され続けるの、結構つらいんですよね..。

キーファー:そうなんですよね。

近藤:でもBeRealは、通知が来るだけで「ちょっと撮ってみるか」となる。それがアテンションのきっかけになってくれて、しかも記録として残る。何年後かに「こんな日もあったなあ」って見返せるのがありがたいです。

キーファー:実は昨年末から、過去の投稿を自動で1本の動画にまとめてくれる機能もテスト実装していて、それが日本でめちゃくちゃシェアされたんですよ!時間軸で成長や日常を見返せるのって、すごく面白いですよね。僕なんか髭の成長が全部記録されてて(笑)

海本:(笑)でもそれ、めっちゃありがたい機能ですね!

近藤:確かに、経過記録にもなるから、美容とか医療のビフォーアフター、脱毛やスキンケアでも相性良さそう!

キーファー:エフェクトもかけられないし、写真フォルダも使えないから、誤魔化せない経過記録としては唯一無二ですね。

近藤:そういう目線で気軽に一緒に取り組んでくれる企業さんがいたら、すごく良さそうですよね。「自己肯定感を一緒に歩いていこう」みたいなニュアンスで。

キーファー:特にコスメ・ビューティー系の皆さんとは、本当に一緒にやってみたいですね。“作られた美しさではなく、「自分を肯定する美しさ」という意味で、リアルなプラットフォームだからこそ描ける表現があると思っています。
さっきお話ししたポジティブ・エスケープの話にも通じるのですが、Z世代は諦めているけど認められたい"という、少し矛盾した感情を持っていると思うんです。だからこそ、広告がその人の可能性を後押しする存在になれるか。ユーザーを「意欲的な探求者」として引き出していけたら、とても意義があると思っています。

近藤:本当に、めちゃくちゃ共感します。私たちも広告の仕事をする中で、「SNS疲れ」「つくられたリアル」という空気をすごく感じることが多くて..。でも、私たちがこの業界でできるのは、未来を一気に変えることはできなくても、少し違う道筋"を提示する」くらいなんですよね。そうやって、少しでも疲れない未来を作っていけたらいいなって思っています。


SpecialThanks..

国定希生(くにさだきい) 氏
Kiefer Criss(キーファー・クリス)
he/him

明治大学法学部を卒業後、2015年に株式会社アサツー ディ・ケイ(現ADK Marketing Solutions)に入社しビジネスパートナー職としてマスメディアのプランニングに従事。その後、株式会社電通デジタルを経て、2017年にツイッタージャパン株式会社に入社。金融業種チームの立ち上げを経て、アジア環太平洋地域におけるコンテンツパートナーシップのセールス責任者として就任。2022年には、ピンタレストジャパン合同会社の立ち上げメンバーとして参画。そして、2024年10月にBeRealにおける日本初の社員として採用され、代理店パートナーシップ部門とコンテンツソリューション部門を統括している。

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