
Z世代が夢中になるBeReal。支持される7つの理由と基本機能がまるわかり編【「企画かじり虫」 書き起こし記事】
今、Z世代を中心にX・TikTokと並んで日常に溶け込んだ新SNS「BeReal.」。ポッドキャスト番組『企画かじり虫』では、BeReal日本国内初✨の社員である国定 希生氏(以後、キーファーさん)をゲストにお迎えし、BeRealまるわかり回を収録・配信しています🍎
本記事ではBeRealの機能・加工もバズも気にしないありのままを投稿するという設計・Z世代に愛される理由について書き起こした内容をギュギュギュっと凝縮してお届けします!
あっ!BeRealが支持される7つの理由は記事を要約すると下記になりますので、念頭に置きつつ読んでいただけるとよりBeRealへの理解が深まるかなぁと思います🧚♀️
- 「今この瞬間」を切り取る設計
- 加工、撮り直しができない潔さ
- “自分だけ”に残るメモリー機能
- 安心の“イツメンSNS”設計
- 静止画中心で真似しやすい
- “映え”より“ネタ”。自虐すら歓迎
- 推しとの距離が近い“呼吸感”
BeReal誕生秘話とコンセプト──コロナ禍で生まれた“ありのままを共有するSNS”
近藤: 今回はスペシャルゲストをお迎えしています。 BeReal、日本国内第一号社員のキーファーさんですー!
キーファー:よろしくお願いします!
海本:よろしくお願いします!
近藤: せっかくキーファーさんにお越しいただいたので、今日は「BeRealってそもそも何?」というところから伺いつつ、最終的には広告活用の可能性についても紐解いていければと思っています。Podcast番組「企画かじり虫」を聴いてくださっている方の中にも、「BeRealって聞いたことはあるけど、よくわからない」という方もいると思うので、まずは基礎から教えていただけると嬉しいです!
キーファー: まず、BeRealが誕生したのは2020年、コロナ禍です。2020年1月にフランスで生まれ、当時はInstagramやTikTokのような#Look at me(私を見て)型のSNSが世の中を席巻していました。
そんな中、外出制限下で“ありのままの自分を写す”ことにも価値があるという発想から、BeRealは“日記”的な形でスタートしたんです。
その後、インスタやTikTokとは真逆の存在として注目を集め、2024年6月、Voodooという会社がBeRealを買収しました。Voodooはハイパーカジュアルゲーム界の老舗で世界に約800人の社員を抱え、累計ダウンロード数は70億を超えています。このVoodooによる買収後、私が2024年10月にジョインしたことで、BeRealの日本での活動がスタートしました。
実は、BeRealをただのSNSと呼んでいいのか、私自身迷うところがあるんです。どちらかというと“写真共有アプリ”あるいは“日記アプリ”と呼ぶ方がしっくりきます。特に日本人ユーザーは“メモリー”を見返す傾向が強いので、日々の記録をつける“日記”として使われることが多いんです。
近藤: なるほど〜。結構、使っている世代と使っていない世代がくっきり分かれているなって感じます。
海本: やっぱり“コロナ禍に学生だった世代”は自然と使っているんですよね。 でも、社内の27〜28歳くらいの中堅層になると、あまり触れていない人も多くて。その差が面白いなって思っています。
BeRealがウケた背景とZ世代との相性
キーファー: おっしゃる通りで、実際のユーザー属性を見るとはっきりしているんです。 ありがたいことに2025年5月、月間アクティブユーザー数が500万人を突破しました。年齢分布のグラフを見ると…
- 13〜20歳:55%
- 13〜27歳まで含めると:83%
という感じなんです。なので、やはりZ世代に強いプラットフォームという印象が強いですね。
近藤: 直近の記事で“日本だと男性ユーザーも多い”って見たんですけど、本当ですか?
キーファー: はい、逆説的な言い方になりますが、日本は男性ユーザーが比較的多い国なんですよ。 海外ではどちらかというと女性中心ですが、日本はありのままの姿を写し合うことに抵抗がない人が多くて、性別関係なく使われやすい文化なのかもしれません。なので、BeRealは“ありのままを映し合う”、“日常をそのまま共有する”というコンセプトで、構えずに使えるという点で日本人との相性がとても良いと思っています。
海本: やっぱり国によって違いが出るんですね..!
近藤: 私の親戚にフランス人がいるんですけど、日本とフランスって意外と似ているところがあるなと思っていて。例えば日本のアニメがフランスでとても人気があったり、国民性も少し内向的というか、“陽キャ”より“陰キャ寄り”というか…。そういう文化的な近さが、BeRealが日本で広まっている理由の1つかもしれませんね。
キーファー: まさにその通りだと思います。例えば、フランスでは10年以上にわたって、新婚旅行で行きたい国ランキング1位が日本なんです。 それに、少し前に流行った位置情報共有アプリ「Zenly」も、実はフランス発なんですよ。自分のリアルな状況を共有するアプリがフランスで自然に生まれていて、それが日本で受け入れられていくのも、やはり気質的な近さがあるからだと感じます。
他のSNSとは違う、BeRealの3つの独自性──「Be yourself」「気軽な投稿」「イツメンSNS」
近藤: 後半でもまた触れたいと思うんですけど、ゲーム界隈ともBeRealって意外と相性が良さそうですよね。 今の話を聞いていて、BeRealって他のプラットフォームとはかなり違う印象を受けるんですが、キーファーさんの目線で「ここが明確に違う」というポイントはありますか?
キーファー: 私が面白いと思っているのは、「Look at me」と「Look at this」──つまり、「私を見て」と「これを見て」という、ソーシャルメディアの二大軸の対立です。 InstagramやTikTokはLook at me型で、自分をよく見せる場所。一方でXやPinterestはLook at this型で、情報を共有するプラットフォーム。
BeRealはそのどちらにも属さない、“Be yourself(自分らしく)”を大切にした第三のゾーンにあると思っています。InstagramやTikTokは、いわば“晴れの日を祝い合う”社交の場です。エフェクトをかけ、時間をかけ、何度も撮り直す。 でもBeRealはその真逆で、日常の何でもない瞬間を、そのまま撮って共有します。フィルターも加工もなく、フォロワー数やいいね数にとらわれず、投稿すること自体のハードルがとても低い。この誰もが気軽に投稿できる構造が、投稿数の多さにつながっていると思います。
もう一つ、大きな違いは、“オープンソーシャル”か“クローズドコミュニティ”かという点です。 たとえば、オープンなSNSでは、私が“ローマ法王について何か言いたい”と思えば、すぐに発信できます。でもBeRealはそうではありません。言うならば“イツメンSNS”。親しい人たちとだけ、安心して繋がり続けられる、そういうSNSなんです。
海本: わかりやすい!
キーファー:身近な人たちとだけ、無理せず、安心して続けられる場所。それがBeRealの最大の特徴だと思います。
近藤: 私もいろいろな使い方を見ていて、インスタやTikTokは“映え”が前提ですけど、BeRealはどちらかというと“ネタ勝負”している人が多い印象があって(笑)“大喜利”的だったり、ちょっとした“自虐”を交えた投稿が多い気がしています。
キーファー:投稿のハードルが低いからこそ、そういう表現も自然と出てきやすいんです。じゃあ..学生に「青春のたまり場ってどこ?」ってインタビューすると、どんな答えが返ってくると思います?
近藤: 部室..?
海本: 学校の外でいえばマックとか?
真似から生まれる新文化とポジティブエスケープ
キーファー: 僕もそう思うんですけど..最近はどんどんスターバックスにシフトしてきているらしいです。なぜかというと「映える」から。でもBeRealでは圧倒的にマクドナルドでの投稿が多いんです。つまり、“映える必要がない”から、マックのような日常的な場所でも気軽に撮れる。それがBeRealの表現のしやすさなんです。BeRealは動画投稿もできますが、主流はやはり静止画です。だから真似もしやすい。誰かの面白いポーズや撮影場所が、自然と他の人に真似されて広がっていくんです。最近は公式アカウントも増えてきていて、その公式が撮った場所やポーズが"ちょっとした聖地"になっていくのも面白いですね。
海本: 確かに、それすごくわかります。例えば、人気YouTuberが「BeReal公開します」という企画をやっているのを見て、「あ、これって公開していいんだ!」と驚きました。コメント欄も「BeReal上手すぎ」「この撮り方マネしたい」といった内容で盛り上がっていて。今は“BeRealを真似する”という現象自体が、新しい文化になっているんですね。
キーファー: そうなんです。Z世代の“真似する”という行為は、新しい文化の発信なんですよ。昔なら「リプトンのパックのレモンティーを飲みながら勉強するのがカッコいい」とか、「SEA BREEZEのキャップを交換する」とか、そういう“文化”が学生から自然と生まれていました。
今はそれがBeRealを通じて起きているんです。だから私は“新しい文化を作る場としてBeRealを育てていきたい”と考えていて、企業とも日々そういったプロジェクトを進めています。
近藤: なるほど。そして、意外と知られていないことかもしれませんがBeRealは"加工ができない"仕様なんですよね?
キーファー: はい、加工はできません。カメラロールからのアップロードもできないので、投稿できるのは"今その場で撮った写真"だけです。しかもその投稿は24時間で消える。まさに“究極のリアル”ですね。
海本: “次の通知が来たら消える”んですよね?
キーファー: その通りです。毎日BeRealの通知が1回届くんですが、次の通知が来たタイミングで、前回の投稿がタイムラインから消える仕様になっています。
近藤: でも、カレンダーには残るんですよね?
キーファー: はい、もちろんです。自分だけが見られる“メモリー”というビューに、過去の投稿はすべて保存されるので、後から振り返ることができます。通常のタイムライン上では、投稿は通知から次の通知までのあいだだけ表示され、その後は見えなくなります。ただし、自分専用のメモリーには、すべての投稿がしっかり保存されていて、いつでも振り返ることができます
近藤:なるほど。つまり、他人には見えないけど、自分の中にはちゃんと記録が残るというわけですね。
海本:それがいいんですよ。他人から見られないからこそ、気負わずに“今”を切り取れるし、それがすごく心地いい。私もBeRealを使い始めて1年ほどになるんですけど、今日の収録に向けて久しぶりにメモリーを見返したら、「あ、このときも撮っていたんだ」って。普通のカメラロールとは違う、“思い出の振り返り”ができるのがBeRealの魅力だなって、改めて実感しました。
キーファー: まさに、「誰のためのSNSか?」という本質的な問いなんですよ。#Look at meが進みすぎると、どんどん他人の目線でどう思われるかに自分の感情を委ねるようになってしまう。それって結構しんどいですよね。だからこそ、自分のためだけに残せる思い出って、ものすごくポジティブな価値があるんです。 僕らはそれをポジティブエスケープと呼んでいます。
Z世代にとって、そういう逃げ場としてのSNSを提供できることも、BeRealの大きな価値のひとつだと考えています。
“捨てリアル”で遊ぶZ世代。BeRealの新しい投稿ハックに注目
近藤:まさに第三のSNSって感じがしますね。たしか、日本って月間アクティブユーザーの数がすごいんですよね?
キーファー:直近、500万人に到達しました。さらに、毎日使ってくれているデイリーアクティブユーザーは約350万人。これ、実は世界1位なんです。つまり、日本は隠れたBeReal大国と言えるんですよ。
BeRealはBeReal Timeという通知が来てから2分以内に投稿すると、さらに5回分のボーナス投稿がもらえます。1日最大で6回まで投稿できます。この制限が、逆に楽しい仕組みになっているんですよ。そして今、Z世代のあいだで“捨てリアル”という遊び方も流行っています(笑)
近藤: ステリアル?
キーファー: 2分以内に投稿すると追加の投稿回数がもらえるんですけど、その場で撮れない時は、ズボンの中にスマホを押し当てて暗く撮ることで“とりあえず投稿済み”にして、あとでゆっくり5回分のボーナス投稿をゲットしようという“技”なんです!(笑)
海本: ゲーム要素ありますよね。今日このあとBeRealの通知が来るかもしれないから、準備しておかなきゃって。でも本当に、最近#BeRealあるあるみたいな話もたくさん出てきてて。結局、他のプラットフォームでもBeRealの投稿がハッシュタグ化されていて、それが重要なポイントだと思います。
キーファー:そうですね。特にアイドルの方々の使い方が象徴的です。公式アカウントでBeRealに投稿すると、ファンがそれをスクショして他のSNSで拡散する流れが生まれています。これまでUGCの起点はXでしたが、BeRealは生活者目線の新しい“起点”として、Z世代の間に浸透してきているプラットフォームだと感じています。
ファンと推しの新しい距離感 - BeRealが生み出す"呼吸感"のある関係性
海本:その“拡散の起点”は、意図的に設計されたものなのか、それとも自然に生まれたカルチャーなんでしょうか?
キーファー:日本独自の現象だと思います。BeRealの公式アカウントは、今やファンクラブのような存在になっています。リアルな写真で推しが見られることが、ファンにとっては最高の体験なんです。
近藤:わかります。「BeRealなのにこんなに可愛い!」という投稿をよく見かけます(笑)
キーファー:そうなんです。特に反応が多いのは、CUTIE STREETの古澤 里紗さんの公式アカウントですね。BeRealでの投稿が大反響で、Xに拡散されると「尊い尊い」というコメントで大いに盛り上がっています。
海本:アイドルや推し活の世界では、素の姿が見たいというニーズがすごく強いんですね。
キーファー:同じ時間軸を共有できるというのが、BeRealならではの面白さだと思います。たとえば芸能人の方って、どうしても"雲の上の存在"のように思われがちじゃないですか。
でもBeRealだと、「同じ地球に生まれて、同じ空気を吸ってる」という感覚というか。“呼吸が聞こえてくる距離感”があるんですよね。 Instagramって、ある種“テレビや雑誌の中の世界”になってしまっているから、そこがBeRealとのリアルさの違いだなと思います。
“後ろめたさのない自己表現”。 両カメラで記録する新しい日記文化
キーファー: BeRealって、“今”を共有しても、後ろめたさのない言い訳が立つのが良いんですよ。たとえば、僕がこの3人でLINEグループを作ってて、「今日、フレンチ料理食べたよ」って写真送ったらちょっとウザいですよね(笑)。でもBeRealだったら、「いやいや、他の人の投稿を見るために撮ったんです」という“自然な言い訳”が成立する。だから投稿しやすいし、受け入れてくれる仲間がいるというのがBeRealの良さなんです。
海本: わかります!“思い出として残したい気持ち”はあるけど、「これをSNSに出したらどう思われるかな…」って、他のSNSだと迷っちゃう。でもBeRealなら、「通知が来たから撮った」という前提があるから、すごく気が楽なんです。大人になると「写真撮ろうよ」って言い出すのちょっと恥ずかしくなってくるけど、BeRealのおかげでむしろ写真を撮る機会が増えましたね。大人の写真習慣を取り戻せる感じ。
近藤: しかも自分の顔が強制的に映るという仕組みというか。インカメとアウトカメラが同時に使われるというのも、BeRealならではで、最初見た時は驚きました。撮った側の表情まで記録されるって、SNSとしてすごすぎません?
海本:両方撮れるって、新しい体験ですよね。「こっちも撮りたい」って思った瞬間に、スマホじゃないとできない体験がある。それをプラットフォームとして提供してるって、すごいなって思います。
キーファー:たしかに。それってやっぱり、“自分のためのSNS”なんですよね。僕らが目指してるのは、対話じゃなくて記録。BeRealは、そういう存在でありたいと思っています。
近藤:BeRealって、“今の表情”まで映すからこそ、日記って言葉がしっくりくる気がします。
前半記事はここまでになります🐣後半はプロモーション施策やブランド戦略に効くBeRealの活用アイデアについて、お届けします!
SpecialThanks..
国定希生(くにさだきい) 氏Kiefer Criss(キーファークリス)he/him明治大学法学部を卒業後、2015年に株式会社アサツー ディ・ケイ(現ADK Marketing Solutions)に入社しビジネスパートナー職としてマスメディアのプランニングに従事。その後、株式会社電通デジタルを経て、2017年にツイッタージャパン株式会社に入社。金融業種チームの立ち上げを経て、アジア環太平洋地域におけるコンテンツパートナーシップのセールス責任者として就任。2022年には、ピンタレストジャパン合同会社の立ち上げメンバーとして参画。そして、2024年10月にBeReal.並びに親会社のVoodooにおける日本初の社員として採用され、代理店パートナーシップ部門とコンテンツソリューション部門を統括している。
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